ハードワークに追われている仕事人間これだけは知っておこう


by mush_k

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知識さんが社長につづく道を辿りはじめたのは、大きな挫折感がきっかけになっている。入社後、第一線の営業マンとして日々、得意先の化粧品店をまわっていた知識さんは、27歳のとき、本社のマーケティング本部に配転になった。

ところが、新しい職場に行って、知識さんは面食らった。「コアコンピタンス、アウトソーシング、シナジーを求める・・・。」マーケティング部ではそんな言葉が飛び交っている。「日本人なのに、日本人が話していることがわからない」知識さんは初め、ほとんど出社拒否症になりそうになったという。

だが、知識さんは、それまで自分がやってきた仕事のやり方を一切捨て、ゼロから勉強し直そうと考えた。自腹を切ってビジネススクールに通い、1年間に100冊近いビジネス書を読んだ。マーケティングの勉強になると思ったことはなんでもやった。

その代わり、それまで決して嫌いではなかったアフターファイブの飲み会に参加する時間はなくなった。いや、「敢えて無くした」といった方がいいかもしれない。自分に向かって、「飲み会、禁止」と命令してしまったのだ。

どんなに誘われても、ときには「今日くらい皆と飲もうか・・・」と心揺れることがあっても、知識さんは、「飲み会は出ないで勉強する」と自分で決めた決まりを守ることの方を選んだという。

知識さんが捨てたのは、飲み会だけではない。それまで営業で身につけた仕事の仕方、多少のプライド、経験値なども一切捨てた。新入社員よりも頭を低くして、マーケティング部の先輩や同僚に、1から教えてくれるようにと頭を下げた。口でいうのは簡単だが、これは中々できることではない。

この猛勉強が実り、気がつくと、知識さんは社内の若手ナンバーワンのマーケッターになっていた。飛び交う言葉さえ分からなかった知識さんは、それまでの習慣を一切捨てることにより、目の前に立ちはだかった大きな壁を乗り越えてみせたのである。

カネボウ化粧品の経営の立て直しにあたり、産業再生機構の最高執行責任者の冨山和彦さんが社長候補者を探したところ、社内に、知識さん以上の人材は見つからなかった。そこで、知識さんに、「明日、朝一番で社長室に来て下さい」と呼び出しをかけたのである。

連絡を受けた知識さんは、「一体、何を叱られるのだろう・・・。なんか失敗したかなぁ・・・」と思いながら、翌朝、社長室に向かったそうだ。ところが、待っていたのは、「新会社の社長になってほしい」という、思いもかけない要望だった。

一瞬、息をのんだが、知識さんはほとんど即決で、社長の重責を引き受けた。「また、ゼロからスタートすれば、社長の任もきっと果たせるのではないか」。ふっと、そうした思いが浮かんできたからだそうだ。



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by mush_k | 2015-09-14 16:35 | しなやかな心を保つ方法